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SAF(Sustainable Aviation Fuel・持続可能な航空燃料)とは?基礎知識と特徴を解説

この記事では、クライメートテックの文脈で注目を集める持続可能な航空燃料 SAF(Sustainable Aviation Fuel)について解説します。

  1. 概要
  2. SAFに注目が集まる理由:
  3. 規制と規格:
  4. 航空各社のSAF契約動向:
  5. 課題:

概要

SAFは、「持続可能な航空燃料」とも呼ばれ、航空機が使用する燃料の中で環境に対する影響が少ないものを指します。従来の航空燃料に比べて、生産や使用段階での温室効果ガス(GHG)排出量を削減することが期待されています。SAFは、バイオマス、廃棄物、合成プロセス(電気を使用して二酸化炭素を変換するなど)など、様々な原料から製造されることがあります。

SAFに注目が集まる理由:

  • 航空業界は地球全体の約2%のCO2を排出しているといわれています。脱炭素には電気飛行機、水素飛行機、SAFの3つの選択肢が残されていますが、既存の航空機や空港インフラがそのまま使用可能であることなどから、IATAなどの業界団体はSAF が最も実行可能な選択肢であると考えています。国際航空運送協会(IATA)によると、SAFは、航空業界が2050年にネットゼロを達成するために必要な排出量削減の約65%に貢献する可能性があるとされています。
  • 環境への影響低減:
    SAFの導入により、航空産業が従来の航空燃料に比べて温室効果ガス排出を削減できるため、気候変動対策の一環として注目されています。
  • 持続可能性への取り組み:
    航空産業は、国際的な気候目標に向けて、持続可能なエネルギー源への転換を進める必要があり、SAFはその一環として重要視されています。

規制と規格:

  • 航空産業におけるSAFの使用を促進するため、国際航空運送協会(IATA)や国際民間航空機関(ICAO)などが規格を策定しています。例えば、ASTM(米国材料試験協会)が定めたSAFの規格も存在します。現時点でのジェット燃料とのブレンド比率は、最大で50%です。

航空各社のSAF契約動向:

1.ICAO: https://www.icao.int/environmental-protection/GFAAF/Pages/Offtake-Agreements.aspxよりClimate tech newsで作成
  • 多くの航空会社がSAFの導入に積極的に取り組んでいます。これには、契約や提携を通じて、SAFの供給基盤を整える取り組みが含まれます。具体的な契約は航空会社ごとに異なりますが、環境への貢献や企業イメージ向上を目指す動機があります。

課題:

  • 生産コストの高さ: SAFの製造プロセスが従来の航空燃料よりも高コストであるため、安価で大量供給することが課題です。
  • インフラの整備: SAFを普及させるには、製造から供給までのインフラ整備が必要であり、これが進んでいない地域もあります。
  • 原料の競合: SAFの原料として利用されるバイオマスなどの資源が、他の用途や産業との競合があることも問題です。

SAFの導入は、航空産業における環境への取り組みの一環として、今後ますます注目を集めることが予想されます。


SAF国際規制・義務化ロードマップの比較

規制・制度 対象 SAF混合義務・目標 スケジュール 特徴
CORSIA(ICAO) 国際線航空(第1フェーズ2024〜2026年:自主参加国。第2フェーズ2027〜2035年:義務化) 2030年以降のCO₂排出量を2020年比で増加させない(市場メカニズム・SAFで補う)。SAF比率の直接義務はないが、SAFで排出量をオフセット。 2024年〜第1フェーズ開始。2027年〜義務化フェーズ 国際航空のGHG削減の国際枠組み。SAFの持続可能性基準(70%以上のライフサイクル削減)が必要。
EU ReFuelEU Aviation EU域内空港を離発着する全フライト(EU規則2023/2405) 2025年:2%(SAF混合義務)→2030年:6%→2035年:20%→2040年:34%→2050年:70% 2025年1月〜段階的強化 SAFの中でもe-SAF(Power-to-Liquid)の混合義務を別途設定(2030年:0.7%→2050年:35%)。SAFの持続可能性基準を規定。
英国 SAF Mandate 英国空港を発着するフライト 2025年:2%→2030年:10%→2040年:22%→2050年:10%(目標設定方式が異なる) 2025年〜 EUとほぼ同水準。Brexitで独自規制。
米国 SAF Grand Challenge 米国全航空(法的義務ではなく政府目標) 2030年:米国の航空燃料需要の3Billion Gallons/年をSAFで供給。2050年:100%SAF達成。 産業界の自主目標と税額控除(IRA SAF tax credit: $1.25〜1.75/gallon) IRAのSAFクレジットが業界投資を促進。DOE・DOT・USDA共同での「SAF Grand Challenge」推進。
日本(国土交通省・資源エネルギー庁) 日本の航空会社(ANA・JAL等) 2030年:国際線燃料の10%をSAFに(目標)。2050年:国際線でのネットゼロ達成(IATA目標と整合)。 2024年〜SAF導入促進に向けた支援措置(税制優遇等)を検討 法的義務化は2024年時点で未決定。国内生産(バイオマス・廃棄物原料)の促進が課題。

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