J-クレジット価格の決定要因分析 — 品質・方法論・需給で価格はどう変わるか
J-クレジット制度における取引価格は、方法論やプロジェクト種別によって数百円/t-CO₂から6,000円超/t-CO₂まで広がりを持つ。J-クレジット制度事務局が公表するクレジット発行・取引実績データでも、方法論カテゴリ間の価格差は明確に確認できる。この価格差は「交渉力の差」でも「運」でもない。価格を決定する構造的な要因が存在し、それを理解しているかどうかが、クレジット売却収益を大きく左右する。
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J-クレジット制度における取引価格は、方法論やプロジェクト種別によって数百円/t-CO₂から6,000円超/t-CO₂まで広がりを持つ。J-クレジット制度事務局が公表するクレジット発行・取引実績データでも、方法論カテゴリ間の価格差は明確に確認できる。この価格差は「交渉力の差」でも「運」でもない。価格を決定する構造的な要因が存在し、それを理解しているかどうかが、クレジット売却収益を大きく左右する。
製造業・流通業・消費財メーカーにおいて、大手企業のGHG排出量の大半はScope 3、すなわち自社の直接排出(Scope 1・2)ではなくバリューチェーン全体に由来する。GHGプロトコル「Corporate Value Chain (Scope 3) Accounting and Reporting Standard」(2011年)および環境省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」(ver.2.4、2022年)が示すように、製造業を中心とした多くの業種でScope 3が総排出量の大部分を占める構造にある。ただし、この比率は業種・事業モデルによって大きく異なり