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MEA(膜電極組・Membrane Electrode Assembly)とは?燃料電池・水電解の中核部品の構造とPEM開発競争を解説

MEA(Membrane Electrode Assembly)とは、日本語で膜電極組と呼ばれる燃料電池内の重要なコンポーネントの一つです。
この記事では、クライメートテックが開発競争を進めるMEAについて解説します。

  1. 概要
  2. MEA(膜電極組)の開発競争が進んでいる理由と、競争優位性を構築する主なポイント

概要

MEA(Membrane Electrode Assembly)とは、日本語で膜電極組と呼ばれる燃料電池内の重要なコンポーネントの一つです。これは、陽極(anode)、陰極(cathode)、およびその間にある電解質膜から構成されます。MEAは、燃料電池内で電気エネルギーを生成するプロセスにおいて電気化学的な反応を可能にします。

具体的には、MEAは酸素と水素を使って電気エネルギーを生成する燃料電池で使用されます。陽極(アノード)では水素が酸化されてプロトン(H⁺)と電子(e⁻)に分解されます(H₂ → 2H⁺ + 2e⁻)。電子は外部回路を通じて陰極へ流れ、プロトンは電解質膜を透過します。陰極(カソード)では酸素がプロトンおよび電子と反応して水を生成します(O₂ + 4H⁺ + 4e⁻ → 2H₂O)。これらの電子は外部回路を通じて流れ、この電流が電気エネルギーとして取り出されます。

出典:東芝ナノアナリシス https://www.nanoanalysis.co.jp/business/device/22/

MEAは、この電気化学的な反応が行われる場所であり、触媒が配置されています。また、電解質膜は陽極と陰極を分離し、同時にプロトンを通すことができる特性を持っています。この構造により、MEAは燃料電池の効率と性能に重要な影響を与えます。

MEA(膜電極組)の開発競争が進んでいる理由と、競争優位性を構築する主なポイント

MEA(膜電極組)の開発競争が進んでいる理由と、競争優位性を構築する主なポイントはいくつかあります。

  1. 効率向上とコスト削減: MEAの開発は、燃料電池の効率向上と同時にコストの削減を目指しています。より効率的で低コストなMEAの開発は、燃料電池技術の普及を促進し、持続可能なエネルギーの採用を推進します。
  2. プラチナ使用量の削減: プラチナはMEAの触媒として使用されますが、高価で希少な資源です。競合他社よりもプラチナ使用量を削減する技術や素材の開発は、コスト削減と共に環境への影響軽減にも寄与します。
  3. 高温での動作可能性: 高温で動作するMEAの開発は、燃料電池の効率向上に寄与します。高温での動作が可能なMEAは、特に特定の応用分野で競争上の優位性を提供します。
  4. 印刷技術の導入: 印刷技術を使用してMEAを製造する手法が導入されています。これにより、製造プロセスが効率的になり、柔軟性が増します。特に、特許技術や新しい製造方法の開発が競争優位性を生み出す要因となります。
  5. サイズの適応性と多様性: MEAのサイズや形状の柔軟性があります。これにより、異なる応用分野や機器に組み込む際の適応性が向上し、市場での競争力が向上します。
  6. 商業生産の計画とスケール: MEAの商業生産計画が具体的で、生産スケールが大きい場合、製品の供給が安定し、市場での競争優位性が生まれます。生産能力や供給体制の確立は重要なポイントです。

これらの要因が、MEAの開発競争を推進し、企業が市場での優位性を築くために取り組んでいる主なポイントです。


MEA(膜電極組)の種類と用途別比較

MEAの種類 電解質膜 動作温度 主な用途 触媒(電極) 開発上の課題
PEMFC用MEA(低温型) 固体高分子電解質膜(Nafion等のスルホン酸型イオン交換膜) 60〜90°C(低温) EV・FCV・定置型燃料電池・ドローン 白金系触媒(Pt/C)+カーボンガス拡散層(GDL) Pt使用量削減(レアメタルコスト低減)・膜の耐久性向上(加湿管理)・起動応答速度の改善
PEMFC用MEA(高温型・HT-PEM) リン酸含浸ポリベンゾイミダゾール(PBI)膜 150〜200°C(高温) 定置型コジェネ・分散電源(CO耐性が高くリフォーマット水素が使用可能) Pt合金触媒(CO被毒耐性重視) 高温動作でPt触媒の焼結が加速。高温に耐える膜・GDL材料の開発が必要。
SOFC用MEA(固体酸化物型) ジルコニア(YSZ)等のセラミック固体電解質 600〜1,000°C(超高温) 大型定置型発電(業務用コジェネ・ガスタービンとの複合) ペロブスカイト系酸化物(LSCF/LSC等)・ニッケル系サーメット(Ni/YSZ) 起動・停止に時間がかかる(熱サイクル耐久性)。高温動作によるシール材劣化。低温化(IT-SOFC)が研究課題。
水電解用MEA(PEM電解槽) 固体高分子電解質膜(Nafion等)。PEMFC用と類似だが電解方向が逆(H₂O→H₂+O₂) 50〜80°C グリーン水素製造(再エネ余剰電力→H₂) 陽極:IrO₂(イリジウム)触媒。陰極:Pt/C。両極ともレアメタルが必要。 イリジウム(Ir)の希少性・コストが最大の商業化障壁。Ir代替触媒(Ru系・非貴金属系)の開発競争が激化。

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