title: SAF(持続可能な航空燃料)の収益化ロードマップ:日本の航空脱炭素とSAFクレジット市場2025年版
excerpt: ICAOのCORSIA義務化とEU ETS拡大を起点に、SAFの収益モデル・エネルギー供給構造高度化法の告示改正によるSAF供給目標・SAFクレジット市場の現実的な収益化条件を解説する実務ガイド。
SAF(持続可能な航空燃料)の収益化ロードマップ:日本の航空脱炭素とSAFクレジット市場2025年版
はじめに:なぜSAFは難しいのか
民間航空は2023年時点でグローバルのCO₂排出量の約2.5〜3%を占め、電動化(EVシフト)による削減が技術的に極めて困難な分野の一つである。高温・高エネルギー密度が必要なジェットエンジンでは、電池式・水素式航空機の大型化が2030年代以降の実用化目標となっており、現実的な近〜中期の脱炭素手段はSAF(Sustainable Aviation Fuel)が中心とならざるを得ない。
しかし、SAFのビジネス化には独特の収益化の難しさがある。従来型のジェット燃料(ジェット燃料A)の市場価格に対し、SAFの製造コストは現時点で2〜5倍という構造的なコスト格差が存在し、この「プレミアム」を誰がどのように負担するかが収益化の核心的問題である。本稿では、CORSIA・EU ETS・日本の政策動向の3軸から収益化ロードマップを体系的に整理する。
SAF製造技術と現実的なコスト構造
SAFは製造原料・製法によって複数の経路(Pathway)があり、それぞれコスト・規制上の扱いが異なる。
| 製造経路 | 主な原料 | SAF製造コスト($/ガロン) | 現在の商業規模 |
|---|---|---|---|
| HEFA(水素化処理エステル・脂肪酸) | 廃食油・動物性油脂 | $3.5〜$5.5 | 最大量産、商業化済み |
| ATJ(アルコール-ジェット) | バイオエタノール・廃棄物 | $4.0〜$7.0 | 小規模商業段階 |
| FT(フィッシャー・トロプシュ) | 木質バイオマス・廃棄物 | $4.5〜$9.0 | パイロット〜商業前期 |
| e-SAF(Power-to-Liquid) | CO₂+再エネ電力 | $8.0〜$20.0 | 研究〜パイロット段階 |
| MSW(都市固形廃棄物) | 都市ごみ | $4.0〜$6.0 | 小規模商業段階 |
従来のジェット燃料A価格が$1.5〜$2.5/ガロン程度(2024年水準)であることを踏まえると、現状最も低コストなHEFAでも1.5〜3倍のプレミアムが発生する。このプレミアムを吸収する仕組みとして、①義務的な炭素費用(CORSIA・ETS)、②供給目標・補助金等の国内制度、③SAFクレジット市場(自主的買取)の3つが機能する必要がある。
CORSIA:国際航空の炭素オフセット義務
ICAO(国際民間航空機関)が2021年に試行フェーズを開始し、2027年から義務フェーズに入るCORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)は、2024年以降のフェーズにおいて2019年排出量の85%を基準(ベースライン)とし、これを超過する排出分のオフセットを義務付ける制度である。
CORSIAにおけるSAFの扱い:CORSIAでは、認定を受けたSAFを使用した場合、そのライフサイクル排出削減量に応じてオフセット義務量を減らすことができる「CORSIA適格燃料(CEF:CORSIA Eligible Fuels)」の仕組みがある。CEFは特定の認証機関(ISCC CORSIA・RSB-CORSIA等)が認定したSAFに適用され、ライフサイクル排出量(LCA)削減率に基づいてオフセット義務の削減量として計上できる。
収益化への影響:2027年の義務フェーズ開始後、国際線を運航する航空会社はCORSIAコンプライアンスコストを回避するためSAFまたはオフセットクレジット購入が必要となる。SAF価格($3.5〜$5.5/ガロン)とカーボンオフセット価格を比較した際に、SAFが相対的に競争力を持つ水準まで炭素価格が上昇するかどうかが、CORSIAを通じたSAF収益化の分岐点となる。
EU ETSとReFuelEU AviationのSAF関連規制
EU ETS(排出権取引制度)は欧州経済領域(EEA)内の航空便を対象に排出量の一定割合の無償割当と有償購入を義務付けている。これとは別に、2023年に成立したReFuelEU Aviation規則(Regulation 2023/2405)により、2025年以降、EUの空港に航空燃料を供給する燃料供給者に対してSAF混合義務が課されることが確定した。EU ETSが排出量に応じた炭素費用を航空機運航者に課す制度であるのに対し、SAF混合義務は燃料供給者側に課される点で制度の性格が異なる。
ReFuelEU Aviation SAF義務化のロードマップ:
- 2025年:2%
- 2030年:6%(うちe-SAF 1.2%)
- 2035年:20%
- 2040年:34%
- 2050年:70%(うちe-SAF 35%)
この義務化によって、EUの空港で供給される航空燃料にはSAFが混合され、EU路線を運航する日本の航空会社(JAL・ANAともEU路線を運航)にもコスト増として波及する。一方、SAF供給者にとっては安定した需要が確保されることになる。
なお、日本もエネルギー供給構造高度化法に基づく判断基準(告示)の改正により、燃料供給事業者側にSAF供給の目標を設定する方式を採用しており、需要創出の起点を燃料供給事業者に置く点でEUのReFuelEU Aviationと発想を共有する(後述)。ただしEUが規則による混合義務と罰則を伴う制度であるのに対し、日本は告示に基づく判断基準として運用され、履行確保の手段は指導・助言や事業者名の公表等にとどまる点で強度が異なる。
日本のSAF政策と収益化構造
2030年10%目標の制度化:高度化法に基づく告示改正
2023年に経済産業省・国土交通省が策定した「SAFの導入促進に関するロードマップ」では、2030年までに日本発着国際線の燃料の10%をSAFで賄う目標が設定されていた。この目標は当初は誘導的な政策目標にとどまっていたが、2024年にエネルギー供給構造高度化法(エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律)に基づく判断基準の告示が改正され、燃料供給事業者に対する制度上の供給目標として位置づけられた点が、2025年時点の日本のSAF政策における大きな変化である。ここで新たな法律が制定されたわけではなく、既存の高度化法の枠組みの下で判断基準(告示)が改められたという整理が正確である。
告示改正で設定された目標は、2030年度に、供給するジェット燃料に係るGHG排出量を2019年度比で5%以上削減するというものであり、これはSAF10%相当の導入に対応する。対象は年間10万kL以上のジェット燃料を供給する事業者であり、判断基準に照らして取組が著しく不十分と認められる場合には、指導・助言、報告徴収、勧告および事業者名の公表等の措置が高度化法の枠組みに基づいて講じられうる。罰則を伴う法的義務ではないが、対象事業者が特定され、達成年度と削減率が明示されたことで、日本のSAF需要は「航空会社の自主的なコミットメント」から「制度上の目標として対象事業者に紐づく需要」へと性格を変え、SAF製造プロジェクトにとって需要の予見可能性は改善した。
この転換は収益化構造にも直接影響する。SAF製造者にとっての主たる顧客は、航空会社であると同時に、目標達成を求められる元売り・燃料供給事業者となる。対象事業者は、自社製造・国内調達・輸入のいずれかで必要量を確保する必要があり、国内SAF製造能力が不足する局面では調達プレミアムが発生しうる一方、供給が過剰となれば価格は下押しされる。他方で、履行確保の手段が公表等にとどまることは、需要の下限を法的に固定できないという意味で、事業計画上のリスク要因として認識しておく必要がある。
GX(グリーントランスフォーメーション)投資支援:GX経済移行債(2023〜2032年で20兆円規模)の用途の一つとしてSAF製造設備への投資支援が含まれており、2024年度予算でSAF製造拠点への補助が具体化した。補助率は公募ごとに設定され、事業ごとに異なるため、投資判断にあたっては当該年度の公募要領で確認する必要がある。供給目標(需要側の下支え)と設備補助(供給側の初期投資支援)を組み合わせる構造は、国内SAFプロジェクトの投資判断における前提条件となる。
燃料税制の位置づけ:航空機燃料税は、本則税率が26,000円/kLである一方、「当分の間」の措置として軽減税率18,000円/kLが適用されており、これが実務上の適用税率である(沖縄路線・特定離島路線はさらに軽減される。また国際線に積み込まれる燃料は課税対象外)。したがって、税制を論じる際に本則26,000円/kLを実効負担として扱うのは誤りである。SAF固有の税率軽減措置は2025年時点で導入されておらず、日本におけるSAFのコスト差を埋める政策手段は、税制優遇よりも供給目標と設備補助・生産支援を中心に構成されている。
価格差支援の位置づけ:再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に相当する価格保証型のSAF差額支援は、業界団体からの要望項目として残るものの、日本が先に制度化したのは供給事業者に対する目標設定方式であり、「FIT相当制度の成立待ち」を前提とした事業計画は前提を見直す必要がある。フランスや英国が導入している義務化と価格支援を併用する制度設計は、引き続き参考になる。日本でも、目標達成コストの転嫁ルールと長期契約の設計が、価格保証に代わるリスク配分手段となる。
国内SAFクレジット市場の現状
SAFクレジット(Book & Claim方式)は、SAF使用と物理的な航空燃料の取引を分離し、SAFを直接使用せずに「排出削減相当量」を購入できる仕組みである。Book & Claim方式では、SAFを製造・購入した事業者がクレジット(SAFクレジット)を登録し、航空会社・荷主・旅行会社が自発的にクレジットを購入することで排出削減を主張できる。
2024年時点で日本に標準化されたSAFクレジット登録プラットフォームは存在せず、RSB(Roundtable on Sustainable Biomaterials)、SABA(Sustainable Aviation Buyers Alliance)、Avelia(Shell・Amex GBTが主導)等の国際的なBook & Claimの枠組みへの接続が課題となっている。国内でもJAL・ANAが関与するBook & Claimの取り組みが進められているが、価格形成・発行量に関する公開情報は限られている。
供給目標の制度化により、今後は「目標達成に充当されたSAFの環境価値」と「自主的クレジットとして販売される環境価値」の二重計上をどう防ぐかが実務上の論点となる。対象事業者が目標達成に用いたSAFの削減価値を、同時にBook & Claimクレジットとして荷主に販売できるかどうかは、クレジット市場の成立可能性を左右する。
収益化シナリオの比較
以下に、SAFプロジェクトの4つの収益化モデルを示す。想定IRRは、本稿の前提条件(契約期間・価格水準・制度運用)を置いた場合の目安であり、個別案件の事業性を保証するものではない。
| 収益化モデル | 前提条件 | 想定IRR(内部収益率) | リスク |
|---|---|---|---|
| EU SAF義務混合への供給 | EU空港での長期購入契約(5〜10年) | 8〜12% | EU規制変更、SAF供給過多による価格下落 |
| CORSIA CEF(適格燃料)活用 | ICAO認定SAF(CEF)の登録 | 5〜9% | CORSIA対象クレジット価格の低迷 |
| 国内供給目標(高度化法告示)への供給+Book&Claim | 対象事業者との長期供給契約、環境価値の帰属整理 | 10〜15% | 判断基準の運用・報告基準等の詳細設計、履行確保が公表等にとどまること、環境価値の二重計上規制 |
| 荷主・企業の自主的SAFクレジット購入 | Scope3カテゴリ4(上流輸送・配送)削減ニーズ | 6〜10% | 需要の不確実性、クレジット価格の不安定性 |
供給目標モデルのIRRが相対的に高いのは、達成年度・削減率・対象事業者が告示で明示されており、長期固定価格契約の相手方が特定しやすいためである。ただしその前提は、判断基準の運用が実効的に機能すること、および対象事業者がコストを航空会社・旅客へ転嫁できる環境が整うことであり、履行確保が公表等にとどまる制度である以上、需要の下限が法的に保証されるわけではない点に留意が必要である。
批判的検討:SAFは本当に脱炭素に貢献するか
LCA(ライフサイクル分析)の課題
SAFの脱炭素効果は原料・製法によって大きく異なる。最も普及しているHEFA(廃食油由来)は、ライフサイクルで従来燃料比60〜80%のCO₂削減を主張するが、この数値には以下の議論がある。
第一に、廃食油の希少性問題である。廃食油は全世界的に食品産業・バイオディーゼル・飼料等との競合需要があり、「追加性」(SAF製造がなければ廃棄されていたか否か)の確保が困難である。需要拡大に伴い廃食油の輸入依存度が上がれば、原料調達の真正性(本当に廃棄物由来か、新油の混入がないか)の検証コストも増大する。
第二に、直接土地利用変化(dLUC)・間接土地利用変化(iLUC)である。植物由来SAFは農地拡大を通じた間接的な炭素放出リスクがあり、EU RED(再生可能エネルギー指令)ではiLUCのリスクが高い作物(パーム油等)の扱いに制約が設けられている。iLUC排出量の推計はモデル依存性が高く、同じ原料でも採用するモデルによって削減率の評価が変動する点は、LCA数値を比較する際の基本的な留意点である。
第三に、非CO₂効果(Non-CO₂ Effects)である。航空機の排気による高高度での凝結水(コントレイル)・NOₓは、CO₂を上回る温暖化影響を持つとの研究があるが、その推計幅は大きく、またSAFによる非CO₂効果の改善度合いは製品によって一定しない。芳香族分の少ないSAFは煤の生成が減りコントレイル形成が抑制されるとの知見がある一方、気象条件・飛行高度への依存が大きく、削減量として制度的に計上できる段階には達していない。
第四に、制度上のLCA値と実測値の乖離である。CORSIAやEU制度では、認証スキームに基づくデフォルト値または実績値によりライフサイクル削減率が算定されるが、算定境界(原料収集・輸送・水素製造に用いる電力の排出係数等)の置き方によって結果は大きく変わる。SAFの環境価値を購入・訴求する側は、削減率の数値だけでなく、どの認証スキーム・どの算定境界に基づく値かを確認する必要がある。とりわけ水素を用いるHEFAでは、水素製造が化石由来か否かが削減率を左右する。
以上を踏まえると、「SAF=一律に60〜80%削減」という単純化は実務上避けるべきであり、原料・製法・認証スキーム単位でLCA値を確認することが、SAF調達・クレジット購入の最低限のデューデリジェンスとなる。
コスト転嫁の課題
SAFのプレミアムを航空券価格に転嫁する場合、渡航者1人あたりの追加コストは、現在のSAFブレンド率と路線距離に依存し、短距離路線では小幅、長距離路線かつ高ブレンド率では相応の負担となる。日本ではANA・JALがSAFの調達コストを反映した仕組みの導入を進めているが、消費者の受容性と航空会社のコンプライアンスコストの間でのバランスが成立するかは不透明である。供給目標が燃料供給事業者に設定される構造では、目標達成コストが燃料価格を通じて航空会社に転嫁され、最終的に運賃へ波及する経路が想定されるため、転嫁の可否は制度の実効性そのものに関わる。
反論:電動化・水素航空機はSAFを不要にするか
一部では水素や電動航空機の早期実用化によってSAFが不要になるとの見方もある。しかし、長距離・大型機(エアバスA330・B777クラス)の水素化は少なくとも2040年代まで実現が困難とみられており、SAFは航空脱炭素の「橋渡し技術」として2030〜2040年代の主力手段となる。また、ショートホール(短距離便)の電動化が進んでも、ロングホール(長距離国際線)のSAF需要は維持される。
日本企業・投資家への影響
日本の航空会社への影響
ANAグループ・JALグループはともに2050年ネット・ゼロ目標を掲げており、CORSIA義務化(2027年)とReFuelEU AviationのSAF混合義務(2025年)への対応が急務である。両社は廃食油やバイオ由来SAFの長期供給契約を国内外のサプライヤーと確保する取り組みを進めているが、2024年時点では日本国内の安定的なSAF供給源が限定的であり、海外(米国・EU)からのSAF調達に依存している部分が大きい。国内の供給目標が2030年度に向けて立ち上がることで、国内調達と輸入調達のポートフォリオ設計が経営課題となる。
国内SAF供給者の収益機会
ユーグレナ・コスモエネルギー・ENEOSらがHEFA方式のSAF製造・供給への取り組みを進めている。これらの企業にとっての収益化は、目標対象事業者およびJAL・ANAとの10年単位の固定価格購入契約(PPA的スキーム)の締結が最も安定的な出口であり、判断基準の運用・報告制度の詳細設計が事業性の鍵を握る。元売り各社自身が目標対象となるため、自社製造による達成と外部調達の経済性比較が、国内SAF市場の価格形成を左右する。
荷主・商社の自主的SAFクレジット購入
Scope3カテゴリ4(上流の輸送および配送)の削減を目指すグローバル企業(製造業・小売業)は、航空輸送依存度が高い国際サプライチェーンにおいてSAFクレジットの自主購入を増加させている。総合商社各社も、国際SAFクレジットプラットフォームへの参加を通じた顧客企業向けのSAFクレジット提供事業の構築を進めている。購入側は、対象SAFが供給目標の達成に充当されていないか(環境価値の二重計上がないか)を契約上で確認することが求められる。
まとめ:SAFビジネスの2025〜2030年の優先行動
SAFの収益化は、単一のメカニズムでは成立せず、CORSIA義務・EU ETS/ReFuelEU Aviation・国内供給目標と設備補助・自主的クレジット市場の「多重構造」で支えられなければ事業性が確保できない。実務担当者が2025〜2030年に取るべき行動は以下の通りである。
- 供給目標を前提に需要を読む:エネルギー供給構造高度化法に基づく判断基準(告示)の2024年改正により、年間10万kL以上を供給する事業者に対し、2030年度にジェット燃料由来GHG排出量を2019年度比5%以上削減(SAF10%相当)する目標が設定された。新法による罰則付きの義務ではなく、指導・助言や事業者名の公表等による履行確保である点まで含めて需要前提を組み立てる。
- 長期購入契約を最優先で押さえる:国内SAF製造者と目標対象事業者・航空会社の間で、10年以上の固定価格購入契約(PPAモデル)を早期に締結し、価格変動リスクを配分する。
- 税制前提を誤らない:航空機燃料税は本則26,000円/kLではなく、当分の間の軽減税率18,000円/kLが適用されている(国際線は課税対象外)。SAF固有の税制優遇は現時点で措置されておらず、コスト差の埋め合わせは供給目標と補助金が中心である。
- 環境価値の帰属を契約で明示する:Book & ClaimによるSAFクレジットを扱う場合、目標達成に充当された環境価値との二重計上を避ける条項を契約に盛り込み、国際的な枠組み(RSB・SABA等)への接続を前提に設計する。
- LCAをスキーム単位で検証する:「60〜80%削減」を一律に受け入れず、原料の追加性、iLUCの扱い、水素製造の排出係数、非CO₂効果の未計上といった前提を、認証スキーム単位で確認する。
- 国内原料を確保する:廃食油・都市廃棄物等の国内原料調達政策への関与を通じ、輸入廃食油への依存を低減する調達戦略を構築する。
2030年10%目標の達成可否は、判断基準(告示)の運用と報告制度の設計速度、および国内サプライチェーンの整備に大きく依存しており、2025〜2026年の制度詳細の決定が分水嶺となる。
主要出典
- ICAO CORSIA 制度概要(2023年版) https://www.icao.int/environmental-protection/CORSIA/Pages/default.aspx
- EU 持続可能な航空燃料規則(ReFuelEU Aviation, Regulation 2023/2405) https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32023R2405
- 経済産業省・国土交通省「SAF導入促進ロードマップ」(2023年) https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20230327009/20230327009.html
- IATA SAF Tracker(2024年版) https://www.iata.org/en/programs/environment/sustainable-aviation-fuels/
- ANAグループ サステナビリティレポート 2024年 https://www.ana.co.jp/group/sustainability/
- Rocky Mountain Institute「SAF Scale-Up Pathways」(2024年) https://rmi.org/insight/sustainable-aviation-fuel/
- Transport & Environment「SAF cost analysis 2030」(2023年) https://www.transportenvironment.org/discover/sustainable-aviation-fuels/