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EU CBAM(炭素国境調整メカニズム)の日本輸出企業への実際の影響 — 2026〜2034年段階的コスト試算シナリオ

EU CBAM(炭素国境調整メカニズム)の日本輸出企業への実際の影響 — 2026〜2034年段階的コスト試算シナリオ

2026年1月1日、EUのCBAM(炭素国境調整メカニズム、Carbon Border Adjustment Mechanism)が本格施行された。鉄鋼・アルミ・セメント・肥料・電力・水素の6カテゴリで、輸入者がEU-ETSカーボン価格に連動したCBAM証書を購入しなければならない。対日本貿易においても例外はない。2023年から2025年までの「報告のみ」過渡期を経て、コスト負担が現実となった。ただし本格施行初年度の実質負担率はごく小さく、負担が本格化するのは2030年代前半である。本記事では、日本のEU輸出品目別にCBAMコストをシナリオ分析し、企業が今すぐ取るべき対応を具体的に示す。

CBAMの仕組みと計算方法

CBAMの算出は、EU-ETSの無償割当との整合を取るため、実排出量から無償割当相当分を控除する「差引方式」で設計されている。

証書返却義務量 = 輸入品の埋め込みCO2排出量 − EUベンチマーク値 ×(1 − CBAM係数)

CBAM証書コスト = 証書返却義務量 × EU-ETS価格 −(原産国で支払済みの炭素価格相当分)

ここで重要なのは、CBAM係数が埋め込み排出量そのものに掛かるのではなく、控除される無償割当相当分(EUベンチマーク値)に対して「1 − 係数」の形で作用するという点だ。したがって、輸入品の排出原単位がEUベンチマーク値を上回るほど、係数が低い初期年度でも負担が発生する。逆に、排出原単位がEUベンチマーク値を下回れば、初期年度の義務量はゼロ(マイナス分は繰り越されない)となる。

埋め込みCO2排出量(Embedded Emissions)は、輸入品の製造工程で直接・間接に排出されたCO2量を指す。EU規則(2023/956)では、輸入者は実際の排出量を申告するか、EUが設定したデフォルト値(業界平均の高い方)を使用しなければならない。

EUベンチマーク値は、EU-ETSで域内producerへの無償割当を算定するために用いられる製品別の効率基準値である。粗鋼(高炉銑鉄・熱間圧延製品等)については、EU域内の上位効率設備を基準に設定されるため、BF-BOFルートの実排出原単位より低い水準となる。

差し引けるカーボン価格は、原産国で実際に支払った炭素価格だ。日本のGX-ETSで支払った炭素コストは、一定の条件でCBAMから控除できる。ただし日本のGX-ETSカーボン価格は現在非常に低く(2025年実績:数百〜数千円/tCO2e程度)、EU-ETS価格(2025年実績:€50〜80/tCO2)との差は大きい。

CBAM係数は、EU-ETSの無償割当フェーズアウトと表裏一体で設計されている。EU域内producerに無償割当が残る限り、輸入品にフル課金すれば逆差別になるため、無償割当の残存分(ベンチマーク値 ×(1 − 係数))を控除する仕組みだ。Regulation (EU) 2023/956が定める係数は以下のとおりである。

CBAM係数 控除される無償割当相当分(1 − 係数)
2026年 2.5% 97.5%
2027年 5% 95%
2028年 10% 90%
2029年 22.5% 77.5%
2030年 48.5% 51.5%
2031年 61% 39%
2032年 73.5% 26.5%
2033年 86% 14%
2034年 100% 0%

つまり2026〜2029年は無償割当相当分の控除が大きく残るため実質負担は小さく、コストが急増するのは2029年から2030年にかけての段階と、2031年以降の直線的な引き上げ局面である。この「負担が軽い数年間」は、MRV体制の構築と低炭素化投資の意思決定に充てるべき準備期間と位置づけられる。

適用タイムラインは段階的だ:

期間 CBAM対応
2023年10月〜2025年12月 報告義務のみ(コスト負担なし・四半期報告)
2026年〜 本格施行。年次CBAM申告に移行し、CBAM係数2.5%に対応する証書購入義務が発生
2027年2月〜 CBAM証書の販売開始(2025年の簡素化改正により後ろ倒し。2026年分は2027年に精算)
2026〜2034年 EU無償割当が順次廃止され、CBAM係数が段階的に100%へ引き上げ
2034年〜 EU無償割当ゼロ → 埋め込み排出量の全量に証書返却義務

日本のEU向け輸出品目別インパクト分析

日本からEUへの主要CBAMターゲット品目の現状を整理する。

鉄鋼(最大インパクト)

日本の鉄鋼は対EU輸出の中で最大のCBAMリスクにさらされている。

  • 対EU鉄鋼輸出量:約150〜200万トン/年(財務省貿易統計、2023年)
  • 日本の高炉・転炉(BF-BOF)ルートの CO2原単位:約2.0〜2.2 tCO2/t粗鋼
  • 電炉(EAF)ルートの CO2原単位:約0.3〜0.5 tCO2/t粗鋼
  • 日本の鉄鋼生産:BF-BOFが約75%、EAFが約25%(2023年度)

CBAM算出において、輸出される鉄鋼の実際の製造ルートと排出量の申告が必要になる。申告しない場合は、EUが設定したデフォルト値が適用される(デフォルト値は国別・製品別の高い方の値を使用するため、輸出企業にとって不利になりやすい)。

差引方式のもとでは、EAFルート製品のように排出原単位がEUベンチマーク値を下回る製品は、係数が100%に達する2034年まで実質的な証書義務がほぼ発生しない。負担が集中するのはBF-BOFルートの製品である。

アルミニウム

  • 対EU輸出量:限定的(一次アルミより二次アルミ・加工品が中心)
  • 一次アルミのCO2原単位:約8〜12 tCO2/t(電力起源により大幅に変動)
  • 日本の電力ミックスは再エネ比率が低いため、相対的に高い値となりやすい

セメント・肥料・水素

  • セメント:日本からEUへの輸出量は小さく、現時点ではCBAMインパクトは限定的
  • 肥料(アンモニア・尿素):日本は一部輸出しているが、大量輸出はない
  • 水素:2026年時点では現実的な輸出量はほぼゼロ。2030年代以降の将来課題

シナリオ分析:2026〜2034年のCBAMコスト試算(日本鉄鋼)

以下は日本の鉄鋼輸出企業(対EU輸出150万t/年想定)に対するCBAMコスト試算だ。これは差引方式に基づく試算であり、実際のコストは企業の申告排出量、適用されるEUベンチマーク値、日本のカーボン価格動向により変わる

前提条件

パラメータ 仮定値
対EU鉄鋼輸出量 150万t/年(BF-BOF製品が主体)
BF-BOF CO2原単位(実排出量) 2.0 tCO2/t粗鋼
EUベンチマーク値(仮定) 1.5 tCO2/t粗鋼
日本GX-ETSカーボン価格 ¥1,000〜3,000/tCO2(€6〜20/t換算)
CBAM係数 2026年:2.5%、2030年:48.5%、2034年:100%(Regulation (EU) 2023/956)

証書返却義務量は「実排出量 2.0 − 1.5 ×(1 − 係数)」で算出する。EUベンチマーク値は製品別に規則で定められるため、ここでの1.5 tCO2/tはあくまで試算用の仮定値である。

シナリオ別CBAMコスト試算

シナリオ EU-ETS価格 CBAM係数 控除量(1.5×(1−係数)) 証書義務量/t粗鋼 日本炭素価格(差引) 実質コスト/t粗鋼 年間総額(150万t)
2026年 ベース €60/t 2.5% 1.463 tCO2 0.537 tCO2 €6/t 0.537×60−2.0×6=€20.2/t €3,030万
2030年 低位 €80/t 48.5% 0.773 tCO2 1.227 tCO2 €10/t 1.227×80−2.0×10=€78.2/t €1.2億
2030年 ベース €100/t 48.5% 0.773 tCO2 1.227 tCO2 €12/t 1.227×100−2.0×12=€98.7/t €1.5億
2030年 高位 €150/t 48.5% 0.773 tCO2 1.227 tCO2 €15/t 1.227×150−2.0×15=€154.1/t €2.3億
2034年 ベース €120/t 100% 0 tCO2 2.0 tCO2 €20/t 2.0×120−2.0×20=€200/t €3.0億

試算。実際の支払額は申告排出量、適用されるEUベンチマーク値、日本GX-ETSの国際認証取得、EU規則改正により変動する。

ポイント: 差引方式では、実排出量がEUベンチマーク値を上回る分(本試算では0.5 tCO2/t)は係数の水準にかかわらず初年度から課金対象となる。このため2026年でも年間€3,000万規模(約50億円)の負担が生じ、「初年度はほぼゼロ」という単純比例モデルの想定より重い。負担は係数が48.5%に上がる2030年に€1.2〜2.3億、100%となる2034年には€3.0億規模(約480億円)へと拡大する。製品価格への転嫁が難しいコモディティ市場では、この立ち上がりが収益性に直撃する。逆に言えば、負担が相対的に軽い2026〜2029年の4年間が対策の実行猶予期間である。

なお、実排出量がEUベンチマーク値を下回る製品(EAFルート等)では初期年度の証書義務量がゼロとなり、この差が製造ルート間の競争力格差として直接現れる。

競合他国との比較

主要競合国 鉄鋼CO2原単位 国内炭素価格 CBAMでの相対的影響
韓国 約2.1 t/t EU-ETS連動なし(独自K-ETS、低価格) 日本と同程度の影響
インド 約2.5 t/t 炭素税なし 最も不利
EU(域内) 約1.8 t/t EU-ETS全額支払い(2034年以降) CBAM対象外(域内)
日本 約2.0 t/t GX-ETS(低価格) 中〜高リスク
緑の水素転換済み(将来) 約0.5〜1.0 t/t 大幅改善余地あり

差引方式では、ベンチマーク値を超過する排出量の大小が負担差に直結するため、原単位の絶対水準そのものが競争力を決める。

反論・代替視点:「CBAMは日本企業に大した影響を与えない」論

CBAM懸念論に対するカウンター議論も存在する。正直に評価する。

反論1:「日本の鉄鋼はEU市場でのシェアが小さい」

内容:EU鉄鋼輸入全体に占める日本のシェアは5〜10%程度。インドや中国の影響の方が大きい。
評価部分的に正しい。CBAM全体の焦点はインド・中国にある。しかし日本の鉄鋼大手(日本製鉄等)にとっては、EU向け高付加価値鋼材(自動車用など)の収益率への影響は無視できない。

反論2:「日本の鉄鋼はすでに世界最高水準の省エネなので有利」

内容:日本のBF-BOF技術は省エネ世界最高水準。デフォルト値より実際の排出量が低いはず。
評価技術的には正しいが、手続き的には不利。実際の排出量申告には詳細なMRVが必要で、中小規模のサプライチェーンには大きな事務負担が生じる。申告できない場合、不利なデフォルト値が適用される。差引方式では実排出量とベンチマーク値の差分がそのまま義務量になるため、申告精度の差が負担額に直結する。

反論3:「初年度は係数2.5%だからコストはほぼゼロ」

内容:2026年のCBAM係数は2.5%にすぎず、負担は無視できる水準にとどまる。
評価計算方式の誤解に基づく楽観論。係数は埋め込み排出量に掛かるのではなく、控除される無償割当相当分に「1 − 係数」として作用する。実排出量がEUベンチマーク値を上回る製品では、初年度から超過分がほぼ全量課金対象となる。本試算の前提(実排出2.0・ベンチ1.5)では、2026年でも0.537 tCO2/tの証書義務が生じる。

反論4:「EU-ETS価格はそこまで上がらないかもしれない」

内容:€150/tはEU-ETSの楽観シナリオ。実際には€60〜80で推移する可能性が高い。
評価リスク管理の観点からは不適切な楽観論。EU気候政策の方向性(Fit for 55、グリーンディール)を見れば、価格は長期的に上昇圧力が続く。低位シナリオの場合でも、係数が48.5%に達する2030年にはEU向け鉄鋼輸出に年間180億円規模のコストが発生する可能性がある。

反論5:「日本のGX-ETS整備が進めばCBAM控除で相殺できる」

内容:GX-ETS価格が上がれば、CBAM証書の購入コストが下がり、企業の実質負担は減る。
評価長期的には正しいが、負担が本格化する2030年前後に間に合うかは不透明。GX-ETSの国際認証(EU側の認定が必要)は時間がかかる。日本政府と欧州委員会の制度認証協議は現在進行中(2025年時点)。CBAM係数が低い2026〜2029年のうちに認定が実現すれば、負担が跳ね上がる2030年以降の緩和効果は大きい。

日本への含意:企業が今すぐ取るべき対応

ステップ1:自社のCBAM対象輸出を棚卸しする(2026年必須)

CBAMが適用される6カテゴリの製品を輸出しているかを確認し、対象品のEU輸出量と製造工程のCO2排出量を算出する。2026年以降は年次のCBAM申告が義務(過渡期の四半期報告から移行)となるため、MRVの準備が不可欠。あわせて、自社製品に適用されるEUベンチマーク値を確認し、実排出原単位との差分を把握しておく必要がある。

実務上の論点:
– Scope 1排出量(直接燃焼)だけでなく、電力起源のScope 2排出量も対象
– サプライヤー(原材料)からの「間接的な前駆体排出量」も一部対象
– 実際排出量を申告するにはISO 14064相当のMRVが必要

ステップ2:デフォルト値 vs 実排出量申告のコスト比較を行う

デフォルト値(EU設定)は通常、業界平均より高く設定される。日本の先進的な製造プロセスを持つ企業は、実排出量を申告した方が有利になるケースが多い。ただし申告コストも発生するため、試算が必要。差引方式では、申告値がベンチマーク値をどれだけ上回るかで義務量が決まるため、申告値を1割下げられれば義務量はそれ以上の比率で減少しうる。

目安:年間CBAM証書コストが€50万以上になりそうな企業は、実排出量申告への投資(MRV整備費用 €5〜20万/年程度)が回収できる。差引方式では初年度から超過分が課金されるため、係数が低い2026〜2028年であってもMRV整備の前倒しは合理的な投資となる。

ステップ3:GX-ETS炭素価格をCBAM控除として認定させる準備

日本のGX-ETS価格がCBAMで控除されるためには、EUが日本の炭素価格制度を「同等の炭素価格メカニズム」として認定する必要がある。この認定プロセスは企業単独では対処できないが:

  • 業界団体(鉄鋼連盟、アルミ協会等)を通じてEU側の認定交渉に参加する
  • 政府(経産省・METI)のCBAM対応ワーキンググループに参加する
  • 認定取得後にCBAM費用が下がるシナリオをCFPに反映する

ステップ4:EU輸出製品の低炭素化による競争力確保(2030年に向けて)

中長期的には、CO2原単位を下げることがCBAMコスト削減と競争力の両方に直結する。差引方式では、原単位をEUベンチマーク値の水準まで下げられれば初期年度の証書義務をゼロに近づけられるため、削減効果はコストに対して非線形に効く。設備投資のリードタイムを考えれば、係数が48.5%に達する2030年に間に合わせるには2026〜2027年の意思決定が必要になる。

低炭素化手段 CO2削減効果 必要投資額(目安)
高炉水素還元(HIsarna/COURSE50) BF-BOF比30〜50%削減 数百〜数千億円(大手向け)
電炉転換(スクラップ利用) BF-BOF比70〜85%削減 100〜300億円/基
購入再エネ電力(EAF用) 間接排出ゼロ化 PPAコスト次第
カーボンオフセット(J-Credit等) 帳簿上の排出ゼロ化 €20〜100/tCO2eq

結論:CBAMは「将来のリスク」ではなく「2026年から発生する実コスト」

EU CBAMは2026年の本格施行により、日本の鉄鋼輸出企業にとって現実の制度対応課題となった。初年度のCBAM係数は2.5%だが、これは埋め込み排出量に掛かる比率ではなく、控除される無償割当相当分に「1 − 係数」として作用する。したがって実排出量がEUベンチマーク値を上回るBF-BOF製品では、2026年から超過分がほぼ全量課金される。負担が本格的に拡大するのは係数が48.5%となる2030年、そして控除がゼロになる2034年であり、フルカバー時には年間数百億円規模の影響が試算される。

今日から取れる行動 3つ:
1. 2026年CBAM申告の準備:自社のEU輸出品目とCO2原単位、および適用されるEUベンチマーク値を今すぐ棚卸しし、年次申告に耐えるMRV整備に着手する
2. デフォルト値 vs 実排出量申告の試算:差引方式(実排出量 − ベンチマーク値×(1−係数))で多年度ベースの比較を行い、過大なコスト負担を避ける
3. 低炭素化投資の判断基準にCBAMを組み込む:電炉転換・グリーン電力導入のIRR試算に、CBAM回避効果を「収益」として明示的に計上する

日本の製造業にとってCBAMは「欧州固有の規制」ではなく、グローバルサプライチェーンの炭素コスト競争力を問う試金石だ。対応の速さが2030年の収益性を左右する。

まとめ

実務担当者が押さえるべきポイントは以下の5点だ。

  • CBAMの計算は「係数×排出量」ではなく差引方式:証書返却義務量は「実排出量 − EUベンチマーク値×(1−CBAM係数)」で算出する。係数は埋め込み排出量ではなく控除される無償割当相当分に作用するため、実排出原単位がベンチマーク値を上回る製品は初年度から課金対象になる。単純比例で試算すると初期年度の負担を大幅に過小評価する。
  • 鉄鋼が最大の論点、負担は2026年から発生:対EU輸出150万t/年・実排出2.0 tCO2/t・ベンチマーク1.5 tCO2/tを前提とした試算では、2026年で証書義務量0.537 tCO2/t・年間€3,000万規模、2030年(係数48.5%)で€1.2〜2.3億、2034年のフルカバー時には年間€3.0億(約480億円)規模に達しうる。あくまで試算であり、申告排出量・適用ベンチマーク値・カーボン価格動向で変動する。
  • デフォルト値の適用が実質的なペナルティになる:EU設定のデフォルト値は業界平均より高く置かれるため、省エネ水準の高い日本企業ほど実排出量申告が有利になりやすい。差引方式では申告値とベンチマーク値の差分がそのまま義務量になるため、申告精度の改善効果は非線形に効き、MRV整備費用(€5〜20万/年程度)は初年度から回収可能な水準にある。
  • GX-ETS控除は2030年の負担増に間に合うかが勝負:EUによる「同等の炭素価格メカニズム」認定には時間がかかる。係数が低い2026〜2029年の間に認定を取れれば効果は大きいが、控除なしのケースを基本シナリオとして予算化しておくべきである。
  • 低炭素化投資の評価にCBAM回避効果を組み込む:電炉転換(BF-BOF比70〜85%削減、100〜300億円/基)や再エネ電力調達は、原単位をEUベンチマーク値以下に下げられれば初期年度の証書義務をゼロに近づけられる。設備リードタイムを考えると2030年の係数48.5%に備えた意思決定は2026〜2027年に必要で、投資判断のIRR試算に回避コストを「収益」として明示的に計上する。

主要出典

  1. 欧州議会・理事会 Regulation (EU) 2023/956 (CBAM規則). OJ L 130, 16.5.2023. https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32023R0956
  2. 欧州委員会 (2023). CBAM Implementing Regulation (EU) 2023/1773 — Reporting obligations during transition period. https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:32023R1773
  3. 経済産業省. CBAM(炭素国境調整措置)関連情報. https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/cbam/
  4. 日本鉄鋼連盟. 鉄鋼統計資料(生産量・貿易統計). https://www.jisf.or.jp/data/statistics/
  5. International Energy Agency. Iron and Steel Technology Roadmap: CO2 intensity data. https://www.iea.org/reports/iron-and-steel-technology-roadmap

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