IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル)は、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)の共同設立によって1988年に設立された機関です。IPCCの主な目的は、気候変動に関する科学的な理解を深めるために、気候変動の科学的情報を提供し、政府や政策立案者が効果的な気候政策を策定する際に役立つ情報を提供することです。

IPCCの役割と活動

  1. 評価報告書の作成:
    • IPCCは、気候変動に関する最新の科学的知見をまとめた評価報告書を定期的に発行しています。これらの報告書は、地球の気候システム、気候変動の影響、適応策および緩和策についての情報を提供します。
    • 代表的な報告書としては、評価報告書(Assessment Reports、AR)があります。最新の報告書は第6次評価報告書(AR6)です。
    • https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-cycle/
    • 環境省から日本語の要約も出ています。
    • https://www.env.go.jp/content/900518554.pdf
  2. 専門家グループと作業部会:
    • IPCCは、専門家グループや作業部会を通じて、特定のテーマに関する詳細な調査や分析を行います。これにより、気候変動の科学的理解を深めることができます。
    • 主な作業部会には、物理科学的基礎を扱う第1作業部会(WG I)、影響・適応・脆弱性を扱う第2作業部会(WG II)、および緩和策を扱う第3作業部会(WG III)が含まれます。
  3. 政策立案者へのガイダンス:
    • IPCCは科学的知見に基づいた政策オプションを提供し、国際社会や各国の政府が気候変動に対応するための政策を策定する際の参考とします。ただし、IPCC自体は政策を推進する役割を持たず、科学的情報を中立的に提供することに徹しています。

IPCCの重要性

IPCCの評価報告書は、気候変動に関する国際的な交渉や政策形成において重要な参考資料とされています。例えば、パリ協定などの国際的な気候変動対策合意の策定には、IPCCの報告書が重要な役割を果たしています。また、IPCCは科学的根拠に基づいた議論を促進し、気候変動の問題を理解するための基本的な知識を提供する役割を担っています。

日本のIPCCへの関与

日本では、報告書の作成にあたり、関係省庁が国内連絡会議を組織し、IPCCと連携して報告書作成活動を支援しました。別添のとおり、第2作業部会第6次評価報告書には、日本の研究論文が多数引用されており、執筆者には9名の日本人科学者の名前が記載されています。政府としても、政府レビューや全体会合での議論を通じて、報告書の作成に積極的に貢献しています。

引用:環境省 https://www.env.go.jp/en/headline/2589.html

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