EVとロバが共存する国 モロッコのリサイクル事情
アフリカ大陸、モロッコのサステナビリティや脱炭素に関する最新の情勢をルポ形式で紹介します。第3回目の今回は、リサイクルについてです。
ビニール袋ゼロ
スーパーや土産物屋で買い物をした際にもらう袋は、すべてマスクのような不織布で作られています。モロッコでは2016年にCOP22の開催を契機に、モロッコではプラスチックレジ袋が廃止されています。
日本のレジ袋有料化は2020年なので、その4年前から取り組みが進んでいます。とても驚いたことは、大型ショッピングセンターから街の小さな商店に至るまで、すべての店で徹底されていたことです。タクシーも街の土産物屋もすべて値段は言い値という発展途上国らしい緩い一面を持ちつつも、王国らしい徹底された側面を垣間見ました。
こうした取り組みはCOPなどで国際社会からも高く評価されています。
2016年にモロッコのマラケシュでCOP22が開催されてから、モロッコはプラスチック製レジ袋の廃止など、アフリカのモデルとして環境保護の取り組みを進めてきた。
JETRO
海岸のアート型ゴミ箱
地中海を挟んでスペインに面する港町タンジェ。海岸には海洋プラスチックの問題を啓発する看板とともに、魚の形をしたアート型のプラスチック回収ごみ箱が設置されていました。
山積みの課題
モロッコがゴミの「時限爆弾」に直面するなか、企業が廃棄物を変革する
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国全体で見ると、まだまだ課題は山積みです。2015年にAFPに提供された公式統計によると、家庭廃棄物のわずか6パーセント(700万トンのうち42万トン)がリサイクルされ、残りは埋められています。一方、主にプラスチック、紙、金属、電気電子機器などの産業廃棄物の最大 12 パーセントがリサイクルされました。
モロッコの公式なリサイクル目標は、2022年までに廃棄物の20パーセントを削減することでしたが、その目標は現在2030年に延期されています。