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天然水素の発生と地球科学:遊離ガス・岩石包含体・地下水溶存ガスの3形態と地中水素賦存の包括的解説

この記事は、The occurrence and geoscience of natural hydrogen: A comprehensive review 天然水素の発生と地球科学: 包括的なレビューの要点を日本語で簡潔に解説します。

以下は重要な3つのポイントです。

  1. 自然水素の広範な存在:
    水素の発見は遊離ガス、岩石中の包含体、地下水中の溶存ガスの3つの主要なカテゴリに分けられています。それぞれのカテゴリは、発見のタイプによってさらに分類されています。さまざまな地質環境で高濃度で水素が検出され、地球の構造や自然現象に重要な役割を果たしています。
  2. 起源と可能性:
    自然水素の起源に関しては複数の仮説がありますが、現在の知識では深い場所が自然水素の豊富な起源として最も可能性が高いとされています。これにより、地球内部からの水素の総量を推定することが可能であり、地球全体の水素循環についての理解が進展しています。
  3. 重要な未解明の要素:
    自然水素に関する研究はまだ不十分であり、水素の物理化学的な性質や地質学的な挙動により、発見が難しい場合があります。過去の研究では水素の存在が見落とされたり、適切な検出技術が欠如していたりすることがあります。しかし、自然水素が地球の地質プロセスに影響を与える重要な要素であり、再生可能エネルギー源としての潜在的な価値があることが示されています。

この論文は、「自然水素の発生と地球科学:包括的なレビュー」というタイトルで、Earth-Science Reviews誌に掲載されています。
論文の著者Viacheslav Zgonnik氏は、Natural Hydrogen EnegyのCEOでもあります。
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天然水素の存在形態と地質環境

存在形態 地質的メカニズム 賦存場所の例 探査・評価手法
遊離ガス(Free Gas) 蛇紋岩化反応(かんらん岩+水→蛇紋岩+H₂)・ラジオリシス(放射線による水分子の分解)・熱分解等により生成された水素が地中空隙・断層帯に蓄積 マリ(ブーラケブグー)・オマーン・フィリピン・カナダ(Hudson Bay)・オーストラリア・ロシア(コラ半島) 地表ガス調査・坑井検層(H₂センサー)・地震探査。地表微生物群集(H₂酸化菌)の分布も指標。
岩石包含体(Rock Inclusions) 超高圧・高温の地殻変動過程で岩石に閉じ込められたH₂含有流体包含体。先カンブリア時代の結晶質岩(花崗岩・片麻岩)に多い。 南アフリカ(Witwatersrand金鉱)・スカンジナビア楯状地・カナダ楯状地 流体包含体の顕微分光分析(ラマン分光・FT-IR)。深部坑井での流体サンプリング。
地下水溶存ガス(Dissolved Gas) 深部帯水層・温泉水・海底湧出水にH₂が溶存。熱水変質・蛇紋岩化・微生物活動と組み合わさる。 中央海嶺の熱水系・ロシア極東の温泉・大陸内部の深部帯水層 地下水・温泉水のガス分析(水蒸気蒸留法・ヘッドスペース法)。H₂/CH₄比・δDの同位体分析。

天然水素の商業化ポテンシャルと課題

  • コスト優位性:天然水素(ゴールド水素)の採掘・精製コストは理論上$0.5〜2/kg程度と試算され、グリーン水素($3〜8/kg)を大幅に下回る可能性がある。
  • マリでの実績:マリのブーラケブグー村では1987年に偶然発見された天然水素ガス田から電力を自給(地域発電機の燃料として活用)。CO₂排出ゼロの分散型電源として実証済み。
  • 探査の不確実性:地表での徴候(微生物・植生変化・ガス湧出)は存在するが、賦存量・持続性・採掘可能性の評価手法が未確立。地震探査・坑井検層に多大なコストがかかる。
  • 微生物消費リスク:地下の水素酸化菌がH₂を消費するため(H₂→CH₄ or H₂O)、実際に採掘できる量が理論量を下回る可能性がある。

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