緊迫する電力調整 ピークは人気テレビ番組のエンディング!?
普段私たちが当たり前に使用している電気の周波数は、電力会社によって西日本は60hz、東日本は50hzに保たれています。需要が増えると、周波数は低下し、供給が増えると周波数は上昇します。このバランスが大幅に崩れると、停電が起こります。
実際、電力の需給調整はどのように行われ、どれほど難しいものなのでしょうか。
イギリス 電力需要のピークは人気番組のエンディング
こちらは、電力需給を調整する担当者の仕事ぶりに迫る映像です。(日本語字幕あり)イギリスでは、人気番組のエンディングに合わせ電力需要がピークに達します。視聴者がテレビから離れ、電気ケトルでお湯を沸かしたり、料理を始めたりするために起きる現象で、TVピックアップ(TV pickup)と呼ばれます。電力需要の急増に合わせ、水力発電所をオンラインにするシーンは、彼の表情や声色からも伝わってくるように、まさに緊迫の一瞬です。
日本の再エネ出力制御
ダックカーブの記事で、日本でも九州を中心に、電力需給を調整するために、太陽光発電所の発電を規制する「出力制御」が実施されていることをご紹介しました。
これは、国立情報学研究所がまとめている2023年の出力制御された電力の全体に占める割合を示す表です。北海道を除くすべての地域で、出力制御が行われていることがわかります。また、九州では最大出力抑制比率が50%を超えています。再エネを最大限活用するに越したことはありません。ただ、一方で日によって需要側にも供給側にもばらつきのある電力を調整することの難しさ、そして再エネに偏りすぎた場合に、電力インフラが脆弱になってしまうというリスクも知っておく必要があります。