クライメートテックトレンド バッテリー・エネルギー貯蔵編13

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脱炭素社会の実現に向けて、アメリカを中心に海外のクライメートテック(脱炭素)関連のスタートアップを紹介するシリーズ、「クライメートテックトレンド」です。

クライメートテックの中でも特に注目度の高いバッテリー・エネルギー貯蔵(LDES)関連のスタートアップをご紹介してきました。13回目となる今回は、日本のクライメートテックをご紹介します。

  1. 3DOM Alliance Inc.
  2. スペースリンク
  3. ELIIY Power Co., Ltd.
  4. PowerX, Inc.
  5. PJP Eye

3DOM Alliance Inc.

https://www.3dom.co.jp/en/

拠点:日本   資金調達:Private

革新的なセパレータ絶縁体技術を核とした次世代電池の開発・提供する東京都立大学発スタートアップ。リチウムイオン電池やリチウム金属電池の劣化の大きな要因となる金属結晶デンドライトを抑制し、発火リスクを軽減させるセパレータを開発。バッテリーの劣化原因となるデンドライトに注目し、規則的な構造による均一な電流分布がデンドライトの発生を抑制。電池の寿命を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。今後、同技術を使用した次世代交通インフラの電動化に関連したサービスの展開を目指していく。

スペースリンク

http://www.spacelinkltd.jp/

拠点:日本   資金調達:Private

2014年に新エネルギー・産業技術総合開発機構からの支援を受け、電池・バッテリーの領域に革命を起こす革新的エネルギーデバイスの研究開発を推進しているスタートアップ。同社は宇宙と民生用のGPS受信機系の開発から事業をスタートしており、そこで培った先端技術をベースに、次世代蓄電デバイス「グリーンキャパシタ」の開発および、高精度な測位を安定的に低コストで行うことが可能な「マルチGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機」の研究開発を行う。「グリーンキャパシタ」は瞬間的に大電流を放電・回収することを得意としており自然エネルギー分野や、自動車、鉄道、建設機械など幅広い分野での活用が可能に。また単層カーボンナノチューブを用いたキャパシタの他、これまでキャパシタに不向きとされていた多層カーボンナノチューブを用いたキャパシタの開発にも成功し高性能化、低コスト化、大型化を実現させた。環境悪化が進む昨今において、省エネ技術として期待される。これまでに多くのVCに加え、JAXA、NEDO、文部科学省などの大型機関からの資金を調達してきた。

ELIIY Power Co., Ltd.

https://www.eliiypower.co.jp/english

拠点:日本   資金調達:Private

大型リチウムイオン電池および蓄電システムの開発、製造、販売を手掛ける企業。同社の開発・製造する大型リチウムイオン電池は、釘を刺しても押し潰しても過充電しても発煙・発火しない、世界トップレベルの安全と性能をもち、2011年にはドイツの国際的な第三者認証機関テュフラインランドが定める過酷な試験条件が盛り込まれた安全規格を通過し、大型リチウムイオン電池として、世界で初めて安全基準認証“TUV-Sマーク”を取得した。世界トップクラスの安全性、安心の長寿命、優れた温度特性といった特徴を持つ。加えて、蓄電システムを長期間安心して利用するために、製品本体に通信機能を搭載し、システムの稼働状況を24時間365日モニタリングする”ごあんしんサービス”を顧客に提供している。遠隔でシステム稼働状況を確認することで、不具合を事前に検知し、万が一故障が起きた場合には即座に確認・サポートを行うことができる。また、システムのソフトウェアのアップデートも自動的に行う。2019年11月には、屋内壁掛蓄電システム「POWER YIILE HEYA」が、グッドデザイン賞受賞対象の中で審査委員会により特に高い評価を得た“2019年度グッドデザイン・ベスト100”を受賞した。今後も世界のエネルギー問題、環境問題を解決するため、エネルギーを貯蔵して活用するシステムを普及させようという理念のもと、リチウムイオン電池及び蓄電システムの開発と普及に取り組んでいく方針だ。

PowerX, Inc.

https://power-x.jp/en/

拠点:日本   資金調達:seriesB

超急速EV充電用蓄電池「PowerX Hypercharger」をはじめとする定置用、船舶用蓄電池を製造・販売するスタートアップ。「PowerX Hypercharger」は、バッテリー搭載型の急速充電器で、容量300kWh、高圧電気契約も工事も不要で導入が可能であり、150kW~最大240kWの高出力が特徴である。また、EV超急速充電ステーション「PowerX Charge Station」や、⽇本の海域にある洋上⾵⼒発電所から海岸にクリーンエネルギーを輸送する電気運搬船「Power Transfer Vessel」の開発も手がけており、自然エネルギーの爆発的普及を実現するべく、多角的に事業展開を行っている。その他、予定年間生産量が5GWhとなる日本最大級の蓄電池工場「Battery Assembly Plant : Power Base」を建造中であり、23年にテスト生産、24年春に出荷開始を予定している。2023年8月には、シリーズBの後半として新たに27億1,000万円に及ぶ資金調達契約を締結した。7月に発表した本資金調達ラウンド前半分の調達を合わせると、計46億2,000万円の資金調達となり、シリーズBラウンドを完了し、同社の累計資金調達額は約152億6,000万円となります。本ラウンドで調達した資金は、蓄電池製品の研究開発や、岡山県玉野市に建設中の国内最大級規模の蓄電池工「Power Base」の製造設備導入費用などに充てられる予定だ。

PJP Eye

https://pjpeye.com/

拠点:日本   資金調達:Private

世界で唯一量産化に成功した革新的炭素バッテリー「Cambrian™」を用いた製品開発を行うスタートアップ。 2021年12月には、東京ユニコーンプロジェクト運営委員会が運営する“東京ベンチャー企業選手権大会 2021”において最優秀賞(東京都知事賞)を受賞している。

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