EVとロバが共存する国 モロッコのモビリティ事情①

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アフリカ大陸、モロッコのサステナビリティや脱炭素に関する最新の情勢をルポ形式で紹介します。第一回目の今回は、電気自動車・EVについてです。
第二回はこちら

  1. モロッコの基本情報
  2. モロッコの自家用車・タクシー
  3. タクシーの相乗り文化
  4. 旧市街ではロバが活躍
  5. 高速道路にEVチャージステーション
  6. まだまだ低いEVの普及率

モロッコの基本情報

ジブラルタル海峡を挟んでスペイン、フランス等ヨーロッパと面しています。言語はモロッコ語のほか、フランス語、アラビア語も通じます。日本人が思う「アフリカ」とは異なり、建物などはイスラム建築や土壁などが多く、スペイン南部のアンダルシア地方に近いと感じました。

モロッコの自家用車・タクシー

発展途上国らしく車種も年式も様々ですが、地理的要因もあってかルノーやシトロエンなどフランス車が多い印象でした。大通りで走る車のほとんどがガソリン車です。
タクシーはDaccaというモロッコの国産車がほとんどで、街ごとに色が決まっています。写真のマラケシュは「薄い黄色」でした。メーターがついているにもかかわらず、ほとんどは値段交渉制なので、毎度大変です。

引用:Tabia

タクシーの相乗り文化

経済的にも環境にも良いなと思ったのはタクシーの相乗り文化です。乗客を既に乗せているタクシーでも、手を挙げると止まってくれて、目的地が同じ方面であれば相乗りさせてくれます。

旧市街ではロバが活躍

運搬の手段としていまだにロバが活躍しています。マラケシュの旧市街は道が狭く車が入れないため、ロバとバイクが主要な手段です。

また、田舎では、道なき山道をロバと歩く現地の人たちの姿を見ました。ロバにとっての労働環境は必ずしも良いのかわかりませんが、現地の生活を支える重要な役割を担っていると感じました。

ちなみに、馬とロバのハーフ、ラバもたくさんいました。馬の大きな馬体とロバの力強さを兼ね備えていることから、ロバよりも高値で取引されているとのことで、ロバがラバか、個体の健康状態はどうか、などの指標から所有者の経済状況もわかります。

高速道路にEVチャージステーション

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高速道路のサービスエリアでは、EVステーションを発見しました。 スポットは4つで、そのうち3つ埋まっていました。 BMWのほか、見たことのないSKODAも。 調べるとチェコの自動車メーカーでした。
この日の気温は40度越え、充電が終わるのを待つ所有者たちは、うだるような暑さでまいっていました。暑い国では充電の待ち時間対策がより重要になりそうです。

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まだまだ低いEVの普及率

Jetroによると、ハイブリッド車の2022年の販売台数は5,027台。PHEVは516台、EVは171台でした。合計しても販売台数全体の3.5%にしか及ばず、まだまだ道半ばです。

燃料別(ガソリン、ディーゼル)の販売割合は、ディーゼルが85.7%、ガソリンが14.3%だった。2018年時点ではそれぞれ93.9%、6.1%であり、ガソリン車が年々比重を増しているものの、市中ではなおもディーゼル車が圧倒的に多い。しかし、新車などでは年式の新しいモデルのハイブリッド車も見られるようになってきている。

ハイブリッド車の2022年の販売台数は5,027台で2018年の1,122台から約5倍に増えた。このほか、プラグインハイブリッド車は516台(2018年は25台)、電気自動車(EV)は171台(2018年は16台)だった。いずれもこの5年間で大きく数字を伸ばしたが、これらを合計しても販売台数全体の3.5%にとどまる。EVの普及には充電スタンドの整備が欠かせないが、現状では十分とは言えない。

JETRO

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