省エネ設備の削減量を事前に見積もる — カタログ値と実績がずれる理由と、更新前に取るべき計測
省エネ設備の削減量はカタログの定格効率ではなく年間の負荷分布で決まり、筆者の試算では定格値ベースの見積もりが実績から20〜40%ずれる。常に実測が必要なわけではなく、どの制度ルートで収益化するかを設備の撤去前に決め、そのルートが要求する形式でベースラインを残すことが収益を確定させる。
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省エネ設備の削減量はカタログの定格効率ではなく年間の負荷分布で決まり、筆者の試算では定格値ベースの見積もりが実績から20〜40%ずれる。常に実測が必要なわけではなく、どの制度ルートで収益化するかを設備の撤去前に決め、そのルートが要求する形式でベースラインを残すことが収益を確定させる。
資金は電力と重要鉱物に集中し、グリーンプレミアムを前提にした素材系は投資家の選別で後退した。商用化の分かれ目は技術の優劣ではなく、10年単位の引き取り契約を先に確保できたかどうかだ。日本企業にとって費用対効果が最も高い組み方は、出資ではなく長期オフテイクと破綻後のIP取得である。
電池パックの平均価格は2025年に108ドル/kWhまで下がり、EV化の争点はセルの値段から負極材の現地生産、制御ソフト、中古価値の査定に移った。電動化が先に商用段階へ届いたのは乗用車ではなく船舶と物流であり、Candelaは受注65隻超、Einrideは2026年6月にNasdaq上場を果たした。
長時間エネルギー貯蔵(LDES)の最大の買い手は電力会社ではなくAIデータセンター事業者になり、資金はその需要の後を追っている。日本は非リチウムイオン蓄電池の専用枠を制度に作って国産レドックスフロー電池に需要を用意したが、6時間級ではリチウムイオンの方がまだ安い。
炭素除去(CDR)市場は単一の買い手への依存を解消できず、2026年のマイクロソフトの購入縮小で供給側の資金計画は一斉に組み替えになった。技術の序列はコストではなく引き渡し実績で決まり、累計46.4百万トンの契約に対して実際に引き渡された量はごく一部に過ぎない。
低炭素セメントで商用化に届いたのはクリンカを置き換える経路であり、年産能力あたりの投資額が桁で小さいことがその理由だ。2025年5月に米エネルギー省が37億ドルの支援を取り消し、普通ポルトランドセメントを作り替える技術は技術ではなく資本で止まった。
水素還元製鉄は技術として成立したが、2026年の投資判断を決めるのは電力と水素の価格であり、欧州では補助金付きでも中止が出ている。日本の現実解は大型電炉への転換で、日本製鉄は八幡に6,302億円を投じ2029年度下期の高級鋼生産を目指している。
商用化に到達した海運脱炭素技術は、削った燃料か捨てたCO2に買い手がいるものだけである。風力推進装置の搭載船は2026年6月に100隻を超え、今後1年で200隻へ倍増する見込みだ。燃料転換の投資判断は、2026年10月のIMO臨時会合で炭素価格が確定するまで動かない。
水素・アンモニア分野のスタートアップの生死を分けたのは技術の優劣ではなく、安い電力と系統容量を確保できたかどうかである。2026年の日本企業にとって合理的な打ち手は国内のグリーン水素製造ではなく、輸入アンモニアの価格差支援活用と海外技術への出資だ。
e-fuel の削減価値は分子ではなく炭素源で決まり、化石由来の工場排ガスを使う限り大気中 CO2 ストックは減らず、放出時点の遅延に留まる。