グリーンウォッシュとは

この記事は、「グリーンウォッシュ」について詳しく解説しています。グリーンウォッシュとは、企業が環境に対する配慮を装って実際とは違うイメージを消費者に伝える行為を指します。特に、ヴォルクスワーゲンの「クリーンディーゼル」スキャンダルやシェルの「クリーンエネルギー投資」広告などが具体的な事例として挙げられています。

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この記事では、クライメートテックの増加に伴い、最近話題となることが増えてきた「グリーンウォッシュ」について解説します。

  1. グリーンウォッシュとは
  2. グリーンウォッシュの具体例
  3. グリーンウォッシュが問題になった事例
    1. ヴォルクスワーゲンの「クリーンディーゼル」スキャンダル
    2. エネルギー大手シェルの「クリーンエネルギー投資」広告

グリーンウォッシュとは

「グリーンウォッシュ」とは、環境に配慮したイメージや宣伝を行うが、実際にはその企業や製品、サービスが環境に対して害を及ぼすか、あるいは環境に対する貢献が限定的な場合など、実態と異なる場合を指します。つまり、企業や団体が環境に優しい姿勢を装っているかのように見せかけ、その実態が環境への影響や貢献に反していることを指摘する言葉です。

グリーンウォッシュの具体例

以下は「グリーンウォッシュ」に関する解説です:

  • 虚偽の環境広告: グリーンウォッシュの一般的な形態は、企業が虚偽の環境広告を行うことです。例えば、特定の製品やサービスが環境に配慮しているかのように宣伝するが、実際には環境に対して負担をかける製品であったり、微小な改善しか行っていない場合です。
  • 環境ラベルの乱用: 一部の企業は、環境ラベルや証明書を不正に使用して、自社の製品やサービスを環境にやさしいものとして宣伝します。しかし、そのラベルや証明書は信頼性がない場合があります。
  • 環境活動の不足: 企業が環境保護活動を行うことを公表するが、実際には十分な努力をしていない場合もグリーンウォッシュとみなされます。
  • 排出削減の欠如: 企業が炭素排出を削減すると宣伝するが、実際には排出削減の計画や取り組みが限定的である場合もあります。
  • ブランドの浄化: 過去に環境への負担がある企業が、その過去の問題を洗いざらいにしようとする場合も、グリーンウォッシュと見なされることがあります。

グリーンウォッシュは、企業や団体が環境への配慮を装い、消費者や投資家からの支持を得ようとする試みです。そのため、消費者や投資家は注意深く宣伝や広告を見極め、実際の環境への影響や取り組みについて詳細な情報を収集することが重要です。また、政府機関や規制当局は、グリーンウォッシュに対して法的措置を取ることがあります。

グリーンウォッシュが問題になった事例

ヴォルクスワーゲンの「クリーンディーゼル」スキャンダル

2015年、ヴォルクスワーゲンは環境にやさしいディーゼル車両(「クリーンディーゼル」)の販売を強調していました。しかし、2015年9月、米国環境保護庁(EPA)は、ヴォルクスワーゲンが排ガス規制を違反するソフトウェアを搭載した車両を製造していたことを発表しました。このソフトウェアは、実際の道路走行時には排出ガスを規制値以下に見せかけ、検査時にだけ規制値を満たしていたのです。このスキャンダルにより、ヴォルクスワーゲンは巨額の罰金を課され、信頼を失いました。この事件は、企業が環境に優しい姿勢を装っていたが実際には環境に害を及ぼす行為を行っていた例としてグリーンウォッシュの典型的な事例として取り上げられています。

エネルギー大手シェルの「クリーンエネルギー投資」広告

出典https://mainichi.jp/articles/20230829/k00/00m/040/168000c

英広告基準機関(ASA)は、エネルギー大手のシェルがクリーンエネルギー投資を示す広告は「過大広告」だとして、撤回を求める勧告を出した。シェルは2022年以来、テレビやSNS等で、同社が開発した風力発電等の電力が、電気自動車(EV)に充当される様子等を広告で紹介、「英国はクリーンエネの準備完了」とし、シェルの貢献を示していた。これに対し非営利団体は「石油・ガス等の化石燃料事業を主とするシェルが再エネ分だけを強調するのは消費者へのミスリード」とASAに調査を求めていた。

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